翔ちゃん雨だよ一緒に帰ろ?

遠くの空は晴れているのに、見上げると真上に分厚い雲がいつの間にか垂れ込めていて、息つく暇もなく次の瞬間


雨、雨、雨、雨、雨、雨、雨、雨、雨


「美緒、傘!俺の持ってんだろ?」

「持ってない、雨予報なんて知らないし!」

「なんでだよ、無くすな人の傘!」

「きゃー冷たい!けど気持ちいい」



変な汗でジトジトだったし、いいタイミングで話も途切れたし、私にとっては恵みの雨。


この先の男子校の角を曲がれば家はすぐそこだし、この程度ならもう熱なんか出すはずもない。
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