翔ちゃん雨だよ一緒に帰ろ?
「コンビニでジュースとかお菓子買って、あと映画も借りに行こっか」
「賛成!」
「他にしたいことある?」
ある!って即答したら翔ちゃんが優しく笑ってくれて、それだけで胸が感動にふるえた。
「手伝った本の新刊号買うから、ヒトコマずつ解説するのを聞いてくれる?」
うんいいよ、って即答も優しい眼差しも、胸のなかにこっそり保存した。
「そっか、頑張ったんだもんな。でもなんかその発言姉ちゃんみたい」
翔ちゃんは苦笑して、男の子の嫌な視線から守ってくれたあの日と同じように自然に肩を寄せてくれた。
これが、相合い傘。翔ちゃんとのこの距離にずっと憧れていた。
背中と胸が、うっかり触れてしまう。息遣いまですぐそばで感じることができる。
傘の中ってこんなに距離が近くなるんだ。
心臓がバクバクうるさくて、大好きな気持ちを止められなくて困った。