翔ちゃん雨だよ一緒に帰ろ?
「別に濡れたからとかじゃないの。誰のせいでもないからね。
でもちょっとしんどそうだから、一人じゃ可哀想な気もして。でも朝までそばで看病しなきゃとか、風邪を私に移して早く良くなってねとか、着替えを手伝ってあげるとか……絶対に絶対にしなくていいからね?」
「えっ?……あっ、はい」
なんかそんなふうに言われたら、どれくらいしんどい思いをしてるんだろうって、翔ちゃんのことがものすごく心配になってきた。
……私のせいだ。
私が、濡れて寒い思いしてる翔ちゃんに気づけなかったから。
「美緒ちゃんに翔のお世話頼んだこと、美緒ママには伝えてあるからね」
「そうなんですね、わかりました!」
責任重大だ。
ママが出掛けたら、うちには私ひとりだし、何かあったときに頼れる大人は誰もいないってことだもん。