会長。私と恋のゲームをしてください。
「着いたぞ」



会長の家は、歩いて5分くらいのところにあった。

立派な一軒家で、私の住んでいたボロアパートとは比べ物にならないくらい。

玄関には門がついていて、お城かと思った。


驚いている私をよそに、会長は家の中に入っていく。


私も入っていいのかな……。

会長のご両親は驚くんじゃないのかな。


門の前で立ちすくんでいると、会長は振り返った。



「早く来い」



その表情は、妹を思うお兄さんみたいな表情だった。

私はつばを飲み込んで、門をくぐった。



「お邪魔します……」

「おう」



会長の近くまで行くと、ハッとする。



「あっ。荷物……! 重いですよね。すみません」



重いリュックを持ってもらったままのことに気づく。

会長が肩にかけているリュックに手をかけようとしたら、さえぎられた。



「いいから。寒いから家に入るぞ」

「え、あっ……」



私がもたもたしている間に会長は靴を脱いで家の中に入っていった。

私も靴を脱いで会長に続く。
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