幸せの鐘

「君、明らかに18歳未満だよね?」



「あの。。どうしてもダメですか?

私住むところなくて・・」



「あのね、こういう夜の街は18歳未満は
働けないんだよ。」





呆れたように話す男の人。




しつこく粘っていると部屋の外が
騒がしくなった。




「やべぇ、蒼汰さんだ。」




男の人は私を部屋に残したまま
部屋から出ていった。




どうしても諦めきれなくて
部屋で待っているとドアが開いた。




そして入ってきた男の人を見て
私はびっくりした。




今まで見たことがないくらい
カッコいい男の人が入ってきたから。




「おい、牧田。」


「はい!」


「この子は?」


牧田と呼ばれたさっきの男の人は
耳打ちをし始めた。



「あんた名前は?」


「木崎杏です。」


「杏、俺に着いてこい。」


「え!?」


「住むところがないんだろ?

黙って俺に着いてこい。」




男の人は付き人みたいな人たちに
目で合図をしてその人たちが
私の荷物を運び始めた。



「あの!自分で持つので!」


「若の命令ですので。

あなたは早く若の所に行かれてください。」



若?



それって名前なのかな?




入り口のところで早くしろと言わんばかりの
視線を私に送ってる若と呼ばれた人の
所に小走りで近づいた。



「行くぞ。」


「はい。」



お店の外にでると街中の人たちが
若と呼ばれた男の人を見て
『キャーキャー』言ったりしてる



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