幸せの鐘

「やっぱり屋上は落ち着くねぇ〜」



「ホントだね。」



「何かこの1年くらいすごい
濃密な1年だったよね。」



「それ私も思ってた!」




ギリギリまでいろんな話をした。



一番は恋バナで盛り上がった。



「麻友、私トイレ行って戻るから
先に戻ってて。」



「了解!」




お手洗いをすませて教室に戻っていると
前の方から一ノ瀬くんが歩いてきた。




何も話すこともないし、、と思って
話しかけることもせずに通りすぎようと
思った。



「確か梶原杏さんだよね?」



「あ、うんそうだよ。」



本当は新崎に変わってるけど
学校では梶原のまま。




「話したかったんだけど
話しかける暇がなくて。」



「あははは。

すごい人気だったもんね。」



「あんなのが目的でこの学校に
来たんじゃないんだけどね。」



「え?」



「なんでもないよ。

俺トイレいって戻るから。」



何だったんだろ・・


一瞬だったけど雰囲気が変わった。



戻ってきた一ノ瀬くんは普通で
私の勘違いだったのかな。
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