パリへ追いかけてまで
萌は、見習いとして、毎日頑張っている。

「モエ! 花の皿出してくれ!」

「ハイ!」

「モエ、 コレ洗って!」

「ハイ。」

野菜や肉の仕込みも少しずつ、教えてもらってる。

日本では、使わない肉のさばき方を習う。

野菜の切り方も 正確さを求められる。

先輩たちに指示され、テキパキと動く。

だいぶ慣れてきた。 

時々オーナーが、厨房に入って全体を見ている。

オーナーは、命令ばかりではなく、気配りがスゴイ
私達見習いが、洗い物に手が回らない時は、
オーナー自ら洗い場に入る。

洗いながらも、料理の進み具合などを見ている。


きっと、オーナーが、作る方に入った方が早く出来るんだろうが、
フィリップさんが頼まない限り、手を出さない。 

仕事は、料理を作れば良いだけではないという事も学んでいる。
オーナーが、私たちを信じてくれてる事がわかり、嬉しく感じる。

ル トレッフルで働けて、良かった…。

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