パリへ追いかけてまで
亮は、大満足で帰国。


萌は、付き合うなら亮しかいないと気持ちが固まった。


シカゴのコンクールは、入賞出来なかった。

斉藤さんには、一応、報告メールを入れた。

萌にも、メールで知らせた。

「残念だったね。 来月引っ越し手伝うからね!」
と、返信がきていた。

亮は、少しずつ引っ越しの準備をしていた。
母親の直美が、亮の部屋にやってきて、
「亮、引っ越しの準備してるの?」

「うん。少しずつ段ボールに詰めてるんだわ。」

「そう。 寂しくなるなぁ〜。 
あのね、コレ、引っ越しとか向こうで必要な物を買うだろうから…
はい。使いなさい。」

「え! 金なら、副賞で貰った金もあるから大丈夫だよ。」

「お金はあっても邪魔にならないから好きに使いなさい。 
樹や昴には内緒よ。」

「うん。じゃあ、有り難くもらうな。
母さん、ありがとう。」

「うん。身体だけは、気をつけね。」

「あぁ、 気をつけるよ…」

「邪魔してゴメンね〜。」

母さんのヘソクリだろう金を貰った亮は、家族に早く安心してもらえるように、頑張ると心に誓った。

< 301 / 391 >

この作品をシェア

pagetop