ライオン少女は宇宙系男子を落としたい
宇宙系男子の推理
詩恩side



──約1時間半前。


少し長引いていたホームルームがようやく終わりを告げた。

クラスメイト達は「やっと終わったぁー」と、ダルそうに教室を出ていく。



「詩恩、先帰るね~♪」

「おぅ。また明日」



帰る準備をしながら、先に教室を出ていく健を見送った。


今日は通販で買った本が届くから先に帰るとのこと。

語尾に音符がついてるから……多分、月か星座関連の本だろうな。



「せんぱーいっ!」

「あっ、冬川くん」



教室を出て階段を下りていると、前方に青石先輩の姿を見つけた。



「校門まで一緒に行きましょう!」

「いいよ~。あ、でも私、自転車通学だから自転車取りに行かないと……」

「ついて行きます!」

「アハハ、可愛いね」



クールな顔がふんわり柔らかい顔に。

彼女も黒瀬先輩と同様、笑うと雰囲気がガラッと変わるタイプ。

水沢くんはこの笑顔に一目惚れしたそうだ。



「今日も水沢くんと帰るんですか?」

「うん。今日は隼も一緒で3人で帰るの」



靴を履き替えて自転車置き場まで移動する。


「友達の彼女と2人きりで話して大丈夫なの……?」と、不安に思う人もいるだろう。

だけど、水沢くんは俺の恋愛事情を知っているので何も言ってこない。
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