ライオン少女は宇宙系男子を落としたい
電話が切れたのを確認し、部屋に戻ってスマホを充電器に繋ぐ。


明莉がこの学校にいたと知ったのは去年の秋。

他クラスの教室から聞き覚えのある声がして、ドアの隙間からチラッと覗いた時だった。


クラスメイト達に囲まれて、ニコニコ笑顔で楽しそうに話していて。

同じ学校だったことと、別人級に変わっていたことに心底驚いた。



『もうすぐ引っ越すんだけど、新しい友達ができるか心配なんだよね』

『確かに知り合いゼロは不安だよね。でも大丈夫! 明莉ちゃんは笑顔がすごく可愛いからたくさん笑うといいよ!』

『本当? ありがとう!』



昔は控えめで、話す時も笑う時も静かで、周りに気を遣うおしとやかな女の子だったのに。

まさかあんなガツガツした積極的な子になってたなんて……。


図書室で顔を合わせた時。

ずっとお礼を言いたかったって、大袈裟なくらい感謝していたけど、本当は俺だって……。



「はぁ……」



本日十数回目の溜め息をついた。

まったく、このGWでどれだけ幸せを逃しただろうか。


明莉が初恋相手だったなんて、口が裂けても言えない。
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