無気力系幼なじみと甘くて危険な恋愛実験
たぶんあの夜、客も他のバイトも光太郎も光太郎のおじさんもいなくて、店には万里加さんと俺、2人きりだった。
フルネーム高木万里加。
同じ高校の3年。
校内で会ったことはない。
短髪、スタイルそこそこいい、顔そこそこいい、歳2つ上、性別女。
情報以上。
「仁乃ちゃんってかわいいの?」
しゃがみこんでレジ前の棚に日本酒のビンを補充していた時、レジの椅子に座ってレシートを仕分けていた万里加さんが聞いた。
俺は一瞬手の動きを止めて、カウンターから俺を見下ろしている万里加さんの猫目を見てまたすぐ作業に戻る。
「顔は普通で胸がないです」
「きゃはは貧乳?つらいね」
身勝手に仁乃を値踏みしてくる女たちにはもうこの16年でうんざりだから、ここでも仁乃の話はしないようにしていたのに、どうせ光太郎のバカがぺらぺら喋ったんだろう。