無気力系幼なじみと甘くて危険な恋愛実験


だけどそもそも『幼なじみ』なんていう『シャボン玉』は、いつどの風に攫われて消えるかいつ誰にぱちんとされて消えるかも、分からないような代物なんだ。


仁乃はそれを知らない。


だから俺がいくら気が狂うような回数のシミュレーションを重ねたって結果はいつも同じ、どうしったって仁乃は泣くはめになる。



そんな仁乃が泣きながらも懸命に俺についてきたとして。

俺が仁乃を組み敷く日が来たとして。



俺はどんな顔して、仁乃に触れるのか。



「あーでも、ごめんね、だめだね、なしなし忘れて」


仁乃は俺を好きだから。


「こういうの、壱くんの気持ちだって大事じゃんね」


馬鹿みたいにずっと好きだから。





「俺の部屋は無理なんで、万里加さんの部屋で」


俺の気持ちだって大事?




「え…壱くん本当に大丈夫なの」



今さら怯んでんじゃねーよクソ女。


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