これを愛というのなら
平日、式場内に併設されているレストランで
ランチをしている。
厨房で蓮はその仕込みを、この時間はしてるんだけど。
「なんで、発注しとけって言った物を発注しとかねぇんだよ!電話するだけだろうが!」
ガッシャーン! ドン! コトン!
厨房のドアの外まで、蓮の怒鳴り声と何かが落ちた音が聞こえてくる。
まただ……と溜め息が出る。
繁忙期は日常茶飯事で、それ以外はたまにあるんだよね。
この、怒鳴り声。
「蓮!!それ以上、怒鳴ったらパワハラだよ!」
厨房のドアを開けて、そう言うと。
「はぁ!?うるせぇな!」
機嫌の悪さ、そのままに怒鳴りながら蓮は私の方へ振り返る。
声の主が、私だとわかった蓮はあからさまに、バツが悪そうな顔をして。
「…わりぃ…梓が言ったんだってわらなかった…」
と、私から視線を外して、コック帽を取って、落ちてきた前髪を掻き上げた。
こういう時の蓮は、基本的に誰の声だとか気にできてないし、周りが見えてないんだよね。
そりゃ、最初はビックリしたけど。
今じゃ私は馴れたもんで、全く驚かなくなった。
だから、、、
「厨房の外まで聞こえてたよ」
蓮が投げたんだろう、銀のボールを蓮に渡した。
「…ありがと…。で、要件は?」
まだ、不機嫌な感じの残る言い方だけど、声色は優しい。
「新しいプランの資料、蓮にも見てほしくて」
あぁ。と言った蓮に渡そうとした私の手と、受け取ろとした蓮の手が触れた時。
一瞬だけ、蓮の手が私の手を握ってくれた気がした。
蓮の顔を見上げると、いつもの優しい笑顔をしていた。
手を握った?とか、わざと?とか。
他の厨房の人も居るし、職場だし今は聞かないほうがいい。
聞いてしまったら、今の私は感情が表情に溢れだしてしまうから。
ランチをしている。
厨房で蓮はその仕込みを、この時間はしてるんだけど。
「なんで、発注しとけって言った物を発注しとかねぇんだよ!電話するだけだろうが!」
ガッシャーン! ドン! コトン!
厨房のドアの外まで、蓮の怒鳴り声と何かが落ちた音が聞こえてくる。
まただ……と溜め息が出る。
繁忙期は日常茶飯事で、それ以外はたまにあるんだよね。
この、怒鳴り声。
「蓮!!それ以上、怒鳴ったらパワハラだよ!」
厨房のドアを開けて、そう言うと。
「はぁ!?うるせぇな!」
機嫌の悪さ、そのままに怒鳴りながら蓮は私の方へ振り返る。
声の主が、私だとわかった蓮はあからさまに、バツが悪そうな顔をして。
「…わりぃ…梓が言ったんだってわらなかった…」
と、私から視線を外して、コック帽を取って、落ちてきた前髪を掻き上げた。
こういう時の蓮は、基本的に誰の声だとか気にできてないし、周りが見えてないんだよね。
そりゃ、最初はビックリしたけど。
今じゃ私は馴れたもんで、全く驚かなくなった。
だから、、、
「厨房の外まで聞こえてたよ」
蓮が投げたんだろう、銀のボールを蓮に渡した。
「…ありがと…。で、要件は?」
まだ、不機嫌な感じの残る言い方だけど、声色は優しい。
「新しいプランの資料、蓮にも見てほしくて」
あぁ。と言った蓮に渡そうとした私の手と、受け取ろとした蓮の手が触れた時。
一瞬だけ、蓮の手が私の手を握ってくれた気がした。
蓮の顔を見上げると、いつもの優しい笑顔をしていた。
手を握った?とか、わざと?とか。
他の厨房の人も居るし、職場だし今は聞かないほうがいい。
聞いてしまったら、今の私は感情が表情に溢れだしてしまうから。