これを愛というのなら
「戻りました」



「お帰り、梓」




「…なにこれ?」






事務所に戻ってから絶句。




ひとつの打ち合わせが終わって、休憩に行く前にはなかった物が私のデスクに置かれていた。





それは、この夏向けのプランの資料で、要は見やすいように作成しろ、ってこと。






「…なんで私が…」




「梓が得意だからでしょ?」




「得意だから…ってね、利香も手伝ってよ?」




「無理。私は今から打ち合わせ」





イジワル、と利香を睨むと、ごめんね、と新郎新婦の資料を持ってサロンに行ってしまった。
< 3 / 186 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop