異世界転生したから、楽しくスローライフを送りたい!!

私の世界の沙羅双樹からもじったのだが、おっとりした感じに合いそうだなと決めてしまった。
それをサラは気に入ってくれたらしく、嬉しそうに羽をはためかせている。

「私の名前、嬉しいな。サラね!ありがとう、よろしくね」

微笑ましくなるほど喜んでくれるサラは、そこで私にとっての予想外のことを教えてくれる。

「ねぇ、この領内にシーナのことを話す人が入って来たよ? なんか連れ出すみたいな話してるけど、どうする?」

私はその報告に、ドキリとする。
間違いなくウォレント侯爵家の手配した人物だと思われる、その会話内容にどうしたものかと思案するも、私は現在森の中。
この森は今の調和者であるルーチェさんが許可をした人しか入ることは出来ない。
つまり、ここにウォレント家の使者が直接来ることは無いのである。

それに、すでに私はガルムトア家の娘になっている。
書類もしっかり整っているし、私はガルムトア家の父と母に兄たちが大好きになっている。
この森を継ぐと決めたし、ここから離れる気はない。

「ありがとう。たぶん、お父様とお母様が対応してくれるから大丈夫だと思う」

そんな私の回答に、サラは頷きつつ一言。

「あのね、風の精霊もぬいぐるみが欲しいって言ってるのよ。新しい子、作ってほしいのよ」

なんと、まさかまだまだこの可愛いグループ増えてくの?
しかも待ってるって?
それじゃあ、作らないわけにはいかないよね。

私は近づく厄介ごとは、気にしないようにして新たな風の精霊さん用のぬいぐるみ作りに取り掛かるのだった。

もちろん、風の精霊に相応しい動物っていったら鳥さん以外ないわけで。
私はせっせとユキちゃんの時のあまりの白い布で、可愛い小鳥を作ることにしたのだった。

小鳥で、今までで一番小さなサイズだったからか一番早く仕上がった。
他の子はみんな羽根つきだけれど、この子はもともとが鳥さんなので羽はそのまま鳥型で。そのかわりに首周りにリボンをつけてあげた。

そして仕上がると、やっぱりすぐに精霊さんが入ってきて話し出すのである。
もう、四回目。
慣れてきました。
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