異世界転生したから、楽しくスローライフを送りたい!!
そして、キッチンの側の可愛らしい木製の椅子とテーブルに案内された。
私はリーネに座らせてもらい、その隣の椅子にリーネが座った。

「ルーチェ様、お久しぶりです。あまり、お変わりありませんね。私が最後にお会いしたのは、この領地を出る十八の時でしたが」

ん?変わりない?
久しぶりが、約六十年ぶりで……
って、ルーチェさんは四十代にしか見えないけれど!?

驚いたのが表情に出ていたらしい、私の顔を見てルーチェさんは笑いながら教えてくれた。

「おやおや、お嬢様は知らないんだね。魔女と呼ばれるほどの魔力持ちは、その大きな魔力に寄って長生きだ。歳を取るのも、ゆっくりなんだよ」

穏やかな笑みで話すルーチェさんに、リーネはにこやかに言う。

「ルーチェ様は稀代の魔女なのですよ。私が子どもの頃には、二十歳くらいの見た目でしたね」

なんですと!?
そっから六十年で、約二十年分くらいしか見た目年齢変わってないの?

「そうねぇ、あの頃で四十超えてたはずだから。今は、百を超えたかしらね。もう、数えるのが面倒になったわねぇ」

まだまだ、綺麗と言える見た目のルーチェさんは、リーネより歳上だった。
見た目の逆転現象で、絶対にそうは見えないけれど。
魔女って、そういうものなのか。

もう、絶対に顔が変なことになっているけれど、驚きだらけなのだから仕方ない。
子どもって事で、許されるかな?

ルーチェさんは、穏やかに流れるこの家の空気と同じ。
穏やかな表情で、お茶を入れてくれた。
お茶からは、落ち着く香りが漂う。
多分、ハーブティーとかだろう。

「さて、リーネの用事はこの子だね?」

その問いかけに、緩んだ気持ちがまたピーンと張る。
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