奥手な二人の両片思い
怜也side



「で、どうよ、語学コースは」

「まぁまぁかな。でももう置き勉はできなさそう。
家でも勉強しないと置いていかれる。授業終わった後、みんなぐったりしてるし」



ディスクを投げ合いながらクラスの話をし合う。

耳に慣れない外国語の勉強が多いんなら、そりゃ疲れるよな。



「お疲れ様。やっぱ置き勉できなくなるよな」

「だよな。怜也は? さっきから動き固いぞ?」



そう言われた途端、返ってきたディスクをキャッチできず落としてしまった。



「バッグが重くて体バキバキなんだよぉ。毎日毎日大量の教科書とノートを持って帰ってんだもん」

「そっちも大変なんだな。お疲れ」



今までシャワーでも充分だったのに、最近は毎日お風呂に入って体をほぐしている。

まだピチピチの高校生なのに、肩こりが酷いったらありゃしない。



「そういやさ、今日綿原さんと服一緒じゃね? 合わせてきたの?」

「え? いや? ぐっぐぐ偶然じゃない?」



突然の質問に言葉が詰まって変な声が出てしまった。

落ち着け俺……服はただの偶然だ。



「なんだよその顔。ニヤニヤして気持ち悪いな」



またまた返ってきたディスクを受け取れず落としてしまった。

嬉しいのが顔に出ていたようだ。



「綿原さんのこと好きなの?」

「ま、まぁね……」



もう! そんな直球で聞かれたら正直に答えるしかねぇじゃん!
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