きみじゃなくてもいい




「ごめんね」



刺す月明かりが、すこし苦手だ。

きみは、短くことばを零して、私の手を引きながら前を走る。夜に不似合いな制服のシャツが違和を投げかけてきた。

簡潔な謝罪に1時間程前のことを思い出して納得。頷いたけれど、それはたぶん私のことばだった。



「…どうして光輝(こうき)が謝るの?」

「、ごめん」



苦そうな呟き、鼓膜を揺らぐ。







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