不器用同士



「最低」


「友達の好きな人奪うなんて」


「性格悪すぎ」


「あんたなんか、」


“「大っ嫌い」”


“「二度と私たちの前に現れないで」”




私、そんなことやってない。


違うよ、本当に違う。


そう言おうと口を開いて、閉じた。



だって、みんなの私を見る顔が本気で軽蔑していたから。


だから私は、噂通りの人だと思ってくれてもいい。



否定する勇気はもうない。


否定するのは疲れたから。




逃げた私に救われる資格はない。




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