不器用同士
「おっ、やった。じゃあおじさん光莉ちゃん離して」
ニヤリと笑いかけてきた相楽くんに身の危険を感じた。
え…これ、選んだのが間違いだった?
「いきなりなんなんだよ!?」
「そんな大声出して、注目浴びちゃってるけど大丈夫?おじさん」
ハッとして周りを見回すと結構見られていた。
「…俺から誘ったんじゃないからな!?この女が!」
いきなり突き飛ばされて勢いよく前に倒れる。
「うっ、わ!?」
「おっと…大丈夫?」
正面にいた相楽くんが受け止めてくれたので転ばずに済んだ。
「もういい!」
そう言うとおじさんは走って逃げて行った。
「はぁ…ダサいねー、あーいう男は」
おじさんが去っていったのを、ぽかんと見ていた私とため息をついた相楽くん。