クリスマスイブ、牛丼屋にて。



来年の今頃、はたして自分に恋人ができているのかなんて、正直想像もつかない。


もしかしたら去年や今年と変わらず、牛丼屋に出勤しているかも。

まあ。

それでもし、また穂高と24日にシフトが被ったら、

チキンとケーキを一緒に食べてやらんこともない。



なーんて。
今日は穂高に振り回されたから、言ってあげないけれど。




鼻をスンっと鳴らした穂高が、無言で立ち上がって公園の出口の方へ向かっていく。


ありゃ。穂高、拗ねちゃった。

かわいいやつめ。



にやける口角を手でおさえつつ、わたしはその背中を追うのだった。



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