クリスマスイブ、牛丼屋にて。
23:58 朝倉と若松



————あれ、今日はずいぶんとプリンが売れている。


在庫確認のためにプリンや紅生姜を保存している冷蔵ケースを覗き込んで、私は棚卸し表を記入していた手を止めた。

昨日の夜に数えた時よりも半分以上減っている在庫に、思わず首をかしげる。


そして、しばし考えた後に思い至った。




「……あ、そっか。今日クリスマスイブだからか」



きっと、この店に置いてある唯一のデザートをせめてケーキ代わりに、と一緒に買っていくお客さんが多かったのだろう。

確か、去年のクリスマスイブもそうだった気がする。



すっかり失念していたその事実で、本日の客入りの悪さに納得した。

自分が22時入りしてから2時間弱ほど立つにも関わらず、店内で食事をするお客さんが普段に比べてあまりにも少なかったので不思議ではあったのだ。



私はいまさらながら、店内に流れるクリスマスソングを意識した。



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