天魔の華は夜に咲く
「んで、本当は何処に行く気だったんだよ?」

ゼンが聞くとセヴィオは首を横に振った。

「決めてない。ぶらぶらするつもりだった。欲しい物があれば買い物するくらいかな」

「そっか」


魔王からもらった小遣いがあるのでそのつもりだった。

しかしその事は伏せなければならない。


「ええと・・4人は何処で知り合ったの?」


セヴィオの雰囲気を察したセンジュは話題を変える為に質問攻撃に切り替えた。


「みんな故郷が同じでゼンとは幼馴染。学校もずっと一緒だった」

「学校!?」


_魔界にもあるんだ!どんな学校なんだろう!?ちょっと聞いてみたい!


「この街の西にある士官学校だよ」

「しかん・・?」

センジュの質問にセヴィオがすぐに教えてくれた。

「兵士になる為の学校。俺達は5歳になったら士官学校で教育を受けるんだ。兵士としてのな」

「へえ、なるほど」



_そっか・・人間と違うのは、魔族は戦いが重視されているって事か。やっぱり平和じゃないんだ。そんな学校絶対やだ。


「センジュは魔界で暮らしてるのに何も知らなんだな。女子も学校には行くだろ?もしかして、めっちゃ田舎者?」


ぎくり。

ゼンの言葉に心臓が跳ねあがったが、それをセヴィオがすかさずフォローする。


「こいつ、記憶もねえから」


_記憶喪失設定追加!?私のキャラをどうするつもりなのセヴィオ!


「は?そりゃ可哀そうに、セヴィオが保護したって事かよ?」

「そゆこと。橋の下で気を失ってて、助けたんだよ。可哀そうだから連れにした」


_違う~~~~!!!けど何も言えないーーー!!!


センジュは必死に自分を押し殺した。

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