天魔の華は夜に咲く
魔王の寝室に入るとセンジュの気配を感じ、ベッドに横たわっていた魔王はすぐに起き上がった。
「センジュ~~~~!心配したよっ!!よく帰ってきたね!よく無事だったね!ケガは無い!?洗脳とかされてないよね!?あれ?背中に羽根とか生えてたっけ!?」
THE・過保護。
そして全快している。
思わず抱きしめられそうになり、後ろに飛び下がった。
_報告の前に気絶させられたら困る!
「ちょ、ストップ!パパ!まだ体治ってないんでしょ!?」
「全然、元気。皆がまだ寝てろっていうから寝てただけだよ」
「ホントに?」
「うん!そうだとも」
子供の様に目を輝かせてセンジュを迎えた。
その姿に思わずクスリと笑った。相変わらずの父の反応にホッと安堵した。
_帰って来れて本当に良かった・・もしあのまま天界に居たら私は殺されていたかもしれない。
近くにアルヴァンもいた。
「センジュ!無事で良かった」
「アルヴァンさん、心配かけてすみません」
「正直、気が気じゃなかった・・・ん?」
ほっと安心した顔を一瞬見せたが、センジュの後から入ってきたフォルノスの姿を見て、目を丸くしていた。
「フォルノス!?お前一体何処に行って・・てか、なんだその羽根は」
「今から話す。落ち着け大人げない」
「相変わらず口を開けばヤな奴だなお前」
「ふん・・」
フォルノスは魔王の前に跪いた。
「ただいま戻りました」
「うん、スラム街でラディエルと交戦したんだって?」
「はい。捕らえようと試みましたが、自決されました」
「そうか・・まあ、仕方ない。今まで何処にいたんだ?」
フォルノスは下げていた頭を上げ魔王を見つめた。
「ラディエルの力により冥界へ」
「それって、死にかけたって事かな?」
「・・そうとも取れますが、肉体は滅んでおらず抜け出す事が出来ました」
「それは凄い事だな。冥界を自力で脱出するなんて私以外に出来る者を今まで見た事がない」
「はい・・それは恐らくコレが関係しているかと思われます」
そう言ってフォルノスは自分の背中に生えている漆黒の羽根を指さした。
アルヴァンもセヴィオも一番に知りたい話だろう。
食い入るように羽根を見つめている。
魔族には羽根は生えていない。
「結論から申し上げますと・・俺は堕天使でした」
「・・・へえ」
その言葉には魔王の目も興味津々で見開いた。
センジュは静かにフォルノスを見守っている。
「俺は大天使ラファエルが落とした分身でした」
「ラファエル?名前は聞いた事があるが確かに見た事はないね」
「はい。もう随分前に自ら堕天使となっており、天界で密かに暮らしていた様です。大天使の称号を得ながらも、職務放棄していた。その時に力を魔界へ落としたのです。分身を作って」
「確かに堕天使だな、そりゃ」
とアルヴァンは呆れながら頷いている。
自分達に置き換えると仕事もせずに身を隠している状況という事だ。
フォルノスは自分の手を見つめた。
「俺にはラファエルの記憶はなかった。だが、治癒の力は残されていた」
「あ・・ラファエルって確か治癒の天使だって言ってた!だからフォルノスも使えたんだね」
「センジュ、ラファエルにあったのか?」
「うん。ラファエルに助けてもらった・・ラファエルがいたから生きて帰ってこれたの」
「・・そうだったか」
センジュが頷くと魔王は納得した様に頷いた。
「わかった。して、今はどっちなんだ?ラファエルと呼んだ方がいいのかな?」
と魔王が言うと、首を横に振った。
「俺はフォルノスです。ラファエルと融合した時に微かに天使だった頃の記憶もありますが・・ラファエルはどうやら俺を尊重してくれいる様です」
「へえ・・ならフォルノスと呼ぼう。センジュを救ったのもお前だろう。ご苦労だった」
ドキン
フォルノスと目が合った。
「声が聞こえました」
「ん?」
「冥界を抜け出そうとした瞬間にセンジュの声が」
「私の?」
「恐らく、ラファエルを通して俺を呼んだからお前のもとに行くことが出来た」
_近くにラファエルが居たから?2人は同じ存在だからって・・そういう事?
魔王は嬉しそうに頷く。
「うんうん、なんにせよセンジュもお前も無事で良かったよ」
「パパ・・」
「センジュ~~~~!心配したよっ!!よく帰ってきたね!よく無事だったね!ケガは無い!?洗脳とかされてないよね!?あれ?背中に羽根とか生えてたっけ!?」
THE・過保護。
そして全快している。
思わず抱きしめられそうになり、後ろに飛び下がった。
_報告の前に気絶させられたら困る!
「ちょ、ストップ!パパ!まだ体治ってないんでしょ!?」
「全然、元気。皆がまだ寝てろっていうから寝てただけだよ」
「ホントに?」
「うん!そうだとも」
子供の様に目を輝かせてセンジュを迎えた。
その姿に思わずクスリと笑った。相変わらずの父の反応にホッと安堵した。
_帰って来れて本当に良かった・・もしあのまま天界に居たら私は殺されていたかもしれない。
近くにアルヴァンもいた。
「センジュ!無事で良かった」
「アルヴァンさん、心配かけてすみません」
「正直、気が気じゃなかった・・・ん?」
ほっと安心した顔を一瞬見せたが、センジュの後から入ってきたフォルノスの姿を見て、目を丸くしていた。
「フォルノス!?お前一体何処に行って・・てか、なんだその羽根は」
「今から話す。落ち着け大人げない」
「相変わらず口を開けばヤな奴だなお前」
「ふん・・」
フォルノスは魔王の前に跪いた。
「ただいま戻りました」
「うん、スラム街でラディエルと交戦したんだって?」
「はい。捕らえようと試みましたが、自決されました」
「そうか・・まあ、仕方ない。今まで何処にいたんだ?」
フォルノスは下げていた頭を上げ魔王を見つめた。
「ラディエルの力により冥界へ」
「それって、死にかけたって事かな?」
「・・そうとも取れますが、肉体は滅んでおらず抜け出す事が出来ました」
「それは凄い事だな。冥界を自力で脱出するなんて私以外に出来る者を今まで見た事がない」
「はい・・それは恐らくコレが関係しているかと思われます」
そう言ってフォルノスは自分の背中に生えている漆黒の羽根を指さした。
アルヴァンもセヴィオも一番に知りたい話だろう。
食い入るように羽根を見つめている。
魔族には羽根は生えていない。
「結論から申し上げますと・・俺は堕天使でした」
「・・・へえ」
その言葉には魔王の目も興味津々で見開いた。
センジュは静かにフォルノスを見守っている。
「俺は大天使ラファエルが落とした分身でした」
「ラファエル?名前は聞いた事があるが確かに見た事はないね」
「はい。もう随分前に自ら堕天使となっており、天界で密かに暮らしていた様です。大天使の称号を得ながらも、職務放棄していた。その時に力を魔界へ落としたのです。分身を作って」
「確かに堕天使だな、そりゃ」
とアルヴァンは呆れながら頷いている。
自分達に置き換えると仕事もせずに身を隠している状況という事だ。
フォルノスは自分の手を見つめた。
「俺にはラファエルの記憶はなかった。だが、治癒の力は残されていた」
「あ・・ラファエルって確か治癒の天使だって言ってた!だからフォルノスも使えたんだね」
「センジュ、ラファエルにあったのか?」
「うん。ラファエルに助けてもらった・・ラファエルがいたから生きて帰ってこれたの」
「・・そうだったか」
センジュが頷くと魔王は納得した様に頷いた。
「わかった。して、今はどっちなんだ?ラファエルと呼んだ方がいいのかな?」
と魔王が言うと、首を横に振った。
「俺はフォルノスです。ラファエルと融合した時に微かに天使だった頃の記憶もありますが・・ラファエルはどうやら俺を尊重してくれいる様です」
「へえ・・ならフォルノスと呼ぼう。センジュを救ったのもお前だろう。ご苦労だった」
ドキン
フォルノスと目が合った。
「声が聞こえました」
「ん?」
「冥界を抜け出そうとした瞬間にセンジュの声が」
「私の?」
「恐らく、ラファエルを通して俺を呼んだからお前のもとに行くことが出来た」
_近くにラファエルが居たから?2人は同じ存在だからって・・そういう事?
魔王は嬉しそうに頷く。
「うんうん、なんにせよセンジュもお前も無事で良かったよ」
「パパ・・」