天魔の華は夜に咲く
「姫君の前で言うのもなんですが、セヴィオ」


「あ?なんだよ」


エレヴォスは懐から手紙を取り出した。


「あなたの領土、最北端で下級どもの紛争が先刻から起きている様です」


「は!?なんで早く言わねえんだよ!」


セヴィオはその手紙をもぎ取って読んだ。


「四大魔将の名が廃りますよ。特に、一番若いあなたの領土が狙われやすい。舐められているという事です。早く行きなさい」


「ちっ!!ざけんな!!ゴミ共が!!」


セヴィオは手紙を握りつぶすと部屋のバルコニーから飛び降りていった。


「あ・・」


必死そうな横顔がセンジュの眼に映った。


「セヴィオは天才と謳われ、空きのあった四大魔将の座に若輩ながら着きました。だが、敵からすれば穴も同然なのでしょうね」


「・・そんな」


「力は認めますが、まだまだ子供なのです。今が正念場でしょうね」



_セヴィオ・・。


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