翔んでアルミナリア
「トップスピードは、オニヤンマで時速七十㎞、日本最速のギンヤンマにいたっては、なんと時速百㎞に達するといわれている。更にホバリングのような空中停止、トップスピードに達するまでの早さ、その状態でとんぼ返りとよばれる宙返りまでやってのけるんだ。
トンボの飛行能力に比べたら、ヘリコプターの動きなんておもちゃみたいなもんだな。
航空力学の化け物だよ」

子どもの頃遊びにいった蓮くんの部屋に、図鑑がたくさん並んでいたのを思い出した。

蓮博士による昆虫講座はしばらく続いたけど、適当に相づちを打つにとどめた。

近づきつつあるひとつ指の岩なる場所を、あれこれ想像する。
もの珍しい形状の岩が、ここ奇岩地帯では珍しくないのだ。

動物のような形をした岩があるかと思えば、まるで大きな手でねじ上げられたようにうねって屹立する岩を目にした。
下部中央がぽっかりと空き、アーチ状になった岩の下をくぐり抜けたりもした。
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