綺桜の舞う
「風呂は?」
「……まだ」
「入っといで。俺ここにいるから」
「……覗かないですか」
「覗かない」


蛍は彼のことを信じて、シャワーに。


ここはホテル。
多分中学生が入っちゃダメなとこ。
あの彼が何歳だか知らないけど、少なくとも蛍は、バレたら警察のお世話になる。
……別に、今更気にすることでもないけど。


服を持ってない蛍は、備え付けのバスローブを着る。
お部屋に戻ったら、既に寝息を立てている彼。


……本当に、何もする気ないの?
一応、覚悟だけはしてきたけど、無駄だったみたい。
ホッと、胸を撫で下ろす。


お名前はわからないけど、とにかく寝る場所を提供してくれて、感謝しかない。


「……出たの?」
「えっ、あっ……うん」
「俺入ってくるから。まぁ、先寝ててもいいよ」


蛍、1人にされるとどうしても、ソワソワしてしまう。
ホテルの雰囲気にどうしても馴染めなくて、大きいベッドも白くない照明も、全く寝れそうな雰囲気じゃない。
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