綺桜の舞う
どうやら、心配も虚しく敵の襲撃を返り討ちにして、挙句健気にも病院に連れて行ってあげたらしい。
わざわざバイクも往復して運んできている模様。


彼らに質問を投げかけたのは俺。
ここで叶奏ちゃんが聞いていたら俺がついてきた意味はないから。
敵の情報を探る、それが一番の目的。


「んー。ごめんね、体触るよ〜」


何も言わない男たちの懐やらピアスやら、何から何まで確認。
何も持っていない、ってことはこいつらがたまたま殴った奴らが夜桜だった、って説はなさそう。
完全に故意の犯行。
身元が割れないようにピアスまで全部外して。


逆についているのは盗聴器。
多分スマホも録音しているんだと思う。


俺はそういう類全部を踏み潰す。
バリッという破壊音。
靴の裏に刺さる破片が気持ち悪い。


……いる。
青狐の時の、女の子の雰囲気がどこからかする。
……左側、駐車場の奥の、茂み。
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