綺桜の舞う
部屋にやらしい音が鳴り響いて、唇を離す。


「び、びっくりした」
「ごめん、普通に歯止め効かなかったわ」


うぅっと恥ずかしそうに俺に抱きついてくる。
さっきより体温が高い。
……あっつ。


「……最近、キスしてくれないから、飽きちゃったのかと思った」
「あぁ……ごめん、最近俺が調子悪い感じしたからやめてた」
「……うん、嫌われてなくて良かった」


叶奏は俺の胸の中で落ち着いてしまったのか、ふーん、なんて気の抜けた声を出してじっと俺を見つめる。
上目遣い。


……簡単に唆られるのやめたい。


「……何」
「……勉強頑張ったら、海以外のご褒美、ある?」
「は?」


……今その質問したら、絶対的に俺の脳みそは卑猥なことでいっぱいになる。
もうなんか、生存本能、とかいうより思春期男子の脳みそ、みたいな。
とうとう俺も伊織と同類に成り下がった。


……普通にシたい。


「叶奏がして欲しいことなんでもする」
「ほんとに?」
「ほんとに」
「じゃあ、その」
「ん?」


「1日中、いちゃいちゃしたい」
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