綺桜の舞う
そして、案の定。
無事終わったテストの後、今後の相談で綺龍の倉庫に来た時の叶奏は最悪だった。


「……なんで言わなかったの?」
「ごめんね、叶奏ちゃん。夏休みのために頑張ってる叶奏ちゃんに、気遣わせて夏休みなくなるの嫌だったから……」


いつも伊織が座る席に、足を組んで座る。
その隣には夕。
伊織と俺、さらには陽向まで、床に正座、お説教タイム。
ちなみに伊織は補習確定領域。


「湊くんも。どうして言ってくれなかったの?」
「……右に同じく」
「……はぁ」


叶奏はため息をついて、挙げ句舌打ち。


「夕だけじゃないけど、何かあってからじゃ遅いの」
「ごめん……でも、ちゃんと警戒はしてた……」
「どういう風に?」
「……集団行動」
「だけ?それじゃあ学校の不審者対策と一緒じゃん。


今までの襲撃場所とか傷の具合から、襲われうる場所はどこなのか、同一人物がやってるのか、そうじゃないのか。
少なくともそれくらいは把握しなきゃ対策だなんて言えない。
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