綺桜の舞う
さらに言うならば、下の子たちともちゃんとミーティングして、鬼王の気配もしっかり探らなきゃ、絶対毎日誰かはつけられてるはずなんだから。
警戒が甘いよ。


お前ら頭張ってる自覚ある?」


叶奏はいつもなら絶対しない、“お前”呼び。
総長としての顔をしっかり引き出してしまった。


「……ごめんなさい」
「せめて仲間のこともうちょっと考えて。
潰すよ?」


伊織の顔が歪む。
俺も、少し。怯む。
陽向は我関せず、と魂が抜けているけども、ともかく。


「叶奏、飽きた。今後の話……しないの?」


助け舟なのか本当に飽きただけなのか、自分が襲われたから俺らが怒られてる、とかそんなことも1ミリも考えてなさそうな夕は叶奏の制服を引いて、首を傾げる。
叶奏の前ではかわいこぶって小賢しい。
今日だけは、感謝だけども。
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