綺桜の舞う
遠すぎるからバイクで走ろう、と言う叶奏の発言に心労を感じながらも真っ直ぐ直行。
ちょうど家の前にバイクを止めたところでこれまた大きなドアが開いて、小説の中でしかないような、使用人が並ぶ花道。


『ただいま帰りました』と笑顔で言う叶奏にきれいに揃った『おかえりなさいませ』とお辞儀。
ビビってしまって、偉く小さな声でお邪魔します、なんて言った俺。
それにも『いらっしゃいませ』と完璧なお辞儀を見せてくれた。


そのまま1人のフリフリメイド服をきた使用人の方に連れられて、ご両親がいらっしゃるお部屋に。
俺が入っていいのかもわからなかったけれど、叶奏が手を離してくれなかったからそのまま面会に。


『お父様、お母様、叶奏です。ただいま帰りました』と、叶奏が扉越しに言うと、『どうぞ』ときれいな透き通った声。
扉の先には仲睦まじそうな、ご両親。
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