綺桜の舞う
「陽向くんも可愛いね」
「でしょー。僕ね、お母さんに似て可愛いの」
「私も陽向くんみたいな顔になりたい」
「ん?叶奏ちゃんは今の顔の方が可愛いよ?」
「んー、どうだろ。湊くんは別にらしいから……陽向くんのがいい……」


……あっ、え……これもしかして、病んだ?


「……あーあ、みーにゃんが素直じゃないから」


ボソッと俺の耳元でそう囁いた陽向の顔はすごく笑顔。
そのまま陽向は俺らの元を去っていく。
はぁっと、薄くため息。陽向から。


「……」
「……」


そして、沈黙。
普段なら、お喋りが止まらない姫野は俺の目を見ようともしないし、なんか拗ねてる。


「姫野、」
「……なんですか」
「別に、嫌いじゃないよ」
「えっ……」


あ、機嫌良くなった。
やっすい女。


……顔、あっつ。
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