綺桜の舞う
2つ下、ってとこが惜しいね。
どっちかっていうと年上が好みかな〜……。


「……高校、悩んでるんですけど」
「ん？俺たちと同じとこくるか？」
「はい。あのー……割と人見知りなんですよ。
知ってる人が夕しかいない空間で、馴染めるか不安なんですよね。
もう1人友達も一緒に行こうって話してるんですけど……特進科受けるか微妙らしくて」


あんずちゃんは下を向いてそういう。
中学生は悩みが尽きないもんだね。
この時代の俺って何してたっけ。


湊と同じとこ行くって息巻いて、めちゃくちゃ勉強して、後はもう、ケンカ。
クソガキだったな〜。


「叶奏ちゃんは、私が毎日送り迎えしてあげるよ、って言ってくれてるんですけど、湊さんとの邪魔したくないですし。
……それに、もしそうなったとして、叶奏ちゃんが卒業したあとの拠り所がないと言いますか……」


一生自立できる気がしないです、と笑うあんずちゃん。
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