綺桜の舞う
なんだったかはわすれたけど、3人組の。
まぁ、誰でもいいけど。


「……この前の抗争、ボク、知らないからね」
「うん、知ってるよ。ただの輩でしょ。綺龍がらみだったし」
「うん……ほんとに、ボク知らないよ?」
「疑ってないから。いつも前々から報告してくれるでしょ」
「……うん」


琥珀はしゅんとした顔。
俺は隣に座って顔を覗き込む。


「何がそんなに引っかかってる?」
「……抗争が、」
「ん?」
「そろそろ、抗争が、起こると思う」
「……そっか」
「多分、また鬼王から綺龍に、だね。今度は刃牙から命令降りる予定だから」
「うん」
「……陽向くん、抗争に参加させないで。
きっと、あの人は、叶奏ちゃんの記憶……」
「泣かなくていいよ」


無意識にポタポタと涙を流す琥珀。
俺は制服の袖で優しく涙を拭って、キスをする。


何しても可愛い、なんて、不謹慎なこと思ってる。


「ボク、こんな世界いたくない。辛い」
「……」
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