綺桜の舞う
「……別に僕も、自分を変える気なんてさらさらないんだよ、ダメな彼氏でごめんね。



でも、沙彩ちゃんのことは守るよ。ごめん、今更腹括った。
絶対生きたまま夜桜に帰る。
2度と沙彩ちゃん泣かせない。
運命共同体とか上等じゃん。


……色々考えたんだよ、自分のこともまともに守れなくて、沙彩ちゃんボロボロにして、離れた方がいいんじゃないかって」


「今の一瞬でそんなこと考えてたの?」
「そう……でも、僕が無理だから。
沙彩ちゃんがいないともう、それこそ死にたくなっちゃうから」



……あのときも、そうか。


沙彩ちゃんのこと守れないのが怖くて逃げた。
あの言葉に嘘がないならば、ちゃんと昔から、私のことを考えていてくれたらしい。


そうなら、私にだって迷いはない。


「ちゃんと、陽向の後ろは守るから。
いつも通り暴れてもらって」
「……腕は?」
「使わなきゃ支障ないでしょ。
右腕はまだいける、殴られる前に殴っちゃえばこっちのもんだよ」


私は地面を踏みしめる。
背後で陽向が笑った気がした。


「いっつも信じてるよ」


私たちは陽向のその言葉を皮切りに、戦火を広げた。
< 402 / 485 >

この作品をシェア

pagetop