綺桜の舞う
48.太陽の笑顔



「沙彩ちゃん」
「ん?」
「痛くない?」
「死ぬほど痛いよ?アドレナリン止まってるからね」


ごめんねぇ、と泣きそうな顔で私に縋り付いてくる陽向。
病院で生活すると、お金がかかっておじいちゃんおばあちゃんに申し訳ないの極みだから、無理を承知で主治医を押しに押しまくって、湊くんには内緒だけど、叶奏のあざとさも利用させてもらって。


で、無事退院したはよかったんだけど、腰の悪い2人に介護してもらうなんて言語道断で、仕方ないから一人暮らしの陽向のお家に押しかけている。


倉庫にいてもよかったんだけど、みんなわりと怪我してて、あんまり世話かけるのも申し訳ないから。


「痛み止めは?」
「飲んだ、もうちょっとで効いてくると思う」
「んん……ごめんね、ほんとに」
「いや、いいけど。お願いだから腕にしがみつかんでもろて」


左腕の骨折と、右足の捻挫。
そして単純に腰を痛めた。
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