綺桜の舞う
あぁ……説教だった。
懐かしい……。
3年前と一緒だ。
いっつも、陽向の隣をなんの心配もなしに、純粋にただ笑って過ごしてたあの時と同じ。


昔と違うところは、私が陽向のことを少しだけ、信じてるところ。
陽向が私と一緒に居てくれるって、約束してくれたところ。


私は痛む身体を無理やり起こして、ペラペラ喋り続ける陽向にギュッと抱きついた。


「沙彩ちゃん……?」
「……陽向」
「ん?」
「……す、き」
「…………うん、知ってるよ」






ちゃんと、幸せが、私の手の中にあるんだ。



< 455 / 485 >

この作品をシェア

pagetop