綺桜の舞う
ぶっ放されてるだけあって、流石に俺が最終復帰だったわけだけど、たまの席だし、酒を飲みたい気持ちもなくはない。



「マジでちゃんと安全運転してくれよ?」
「任せて!頑張る!」



荒い運転に定評のある叶奏の後ろに乗るのは割と自殺行為に近いところがあるけど、流石に病み上がりに運転する体力ないし、このあとみんなと盛り上がることも考えたら体力の温存は大事だ。


で、結局、震えた運転をされて、俺は胃をキリキリさせながら、やっと倉庫に着いたのは1時間後。
休憩も挟みつつだったから思ってた以上に時間がかかって。


着いた頃には約1名、飲んでるやつが。


「ただいま、伊織くん」
「あ、おかえり〜。みんな飲んでるから飲みな?快気祝いだし湊も飲みな」


と、おそらく今まででないくらいに酔ってるであろう男が足取りもおぼつかないでやってくる。
みんな、とか言いながら飲んでるのは伊織だけ。
ごめんなさいちょっと色々避けたくて、と夕の後ろで頭を垂らしているのはあんず。
また伊織が何かしようとしたのだろう。
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