綺桜の舞う
「さぁ、どうしような〜」
「とりあえず、1番可能性のある人間叩き起こすか……」
確認が取れて既に安心して俺の横で眠りこけっているのは陽向。
薄く寝息を立てながら、コクコクと頭を揺らす。
「……叶奏ちゃん、だよなぁ、普通に考えて」
「だな……俺たちが寝てるここを誰にもばれずに通っていけるやつなんて、限られてるし」
「下の子たちにできると思えないもんな〜。
……夜桜も、何もしてないらしいし」
はぁ、っとため息をつく伊織。
「とりあえず、叶奏ちゃん起こすとこからだな」
「起きてるよ……?」
眠たげな声が空間に刺さる。
……。
「いつ、出てきた?」
「3分前?」
「気配消すなよ」
「んー?」
「本題。族一個潰れてんだけど、なんかした?」
「……ノーコメント?」