綺桜の舞う
「でも……私1000しか、潰してないの」
「は……?」


寝起きの低い声で、少し涙目の瞳がこちらを向く。


「ホントは、今日の夜中にもう半分と復活組の成敗にいくつもりだったの……でも、」
「朝起きたら、残りの1000も潰れてた?って?」


コクリ、と頷く叶奏。
深刻そうな顔が本当であることを物語る。
伊織がうぅん、と唸る。


「謎の力が、動いてる……か」


夜桜が潰した、って説もほぼない。


「……誰だ、」
「赤蜘蛛を潰して、俺ら以外に利益があるやつ……」
「そんなのいないでしょ〜……」


謎は深まるばかり、その答えを知っているのは潰したやつだけ、ってか。


「とりあえず、安全になった……ってことでいい?」
「あぁ、そうだな」
「みんな、怪我たくさんしちゃった」


ぽつり、と呟く叶奏。
……お前だって。


俺は叶奏に手を伸ばす。
ちょんっと、人差し指で右腕の皮の薄い部分に触れる。
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