綺桜の舞う
12.蛍の涙
「ねー……遊びに行きたい」
「ダメ、学校」


ソファに横になって俺の席を陣取る叶奏。
駄々をこねて足をバタバタさせる。


「ね〜……」
「何」
「倉庫行こ?」


叶奏は俺の腕にしがみついて、上目遣いでそういう。


「ダメ。学校だろ」
「うぅ……今日は学校行きたくない気持ち」
「ほら、久々に俺の後ろ乗るって張り切ってたの誰だよ」


もう制服まで来てるくせにうだうだとイヤイヤ期。


最近は雪兎に返してもらったバイクの鍵を振り回しながらルンルンで学校行ってたわけだけど、久々に湊くんに合法的に抱きつきたいとか訳のわからないことを言い出したから、今日は俺のバイクで2ケツ。


非合法に抱きつく方法が俺には分からないけども。


「学校行ったら何ご褒美くれる?」
「……ちゃんと早退しないで家まで帰ってきたら死ぬほど甘やかす」
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