綺桜の舞う
……こういう思考が、この世界に染まっている証拠だろうか。


俺はそのまま伊織同伴で、俺の姉貴に連れられて病院へ。結局、何のこともないただの貧血とストレス性のめまい。
医者には慢性疲労気味だから気を付けろ、とまで言われた。


ここまで来ると自分がもうおじいちゃんなんじゃないかと不安になってくる。
ただ、今回に関しては唐突の筋弛緩とかはないみたいで、大丈夫そう。


念のため、と検査入院を勧められたが、叶奏の夕ご飯のことを考えて、家に帰ることにした。
血液検査だけはしろって姉貴に怒られたから血は抜いたけども。


貧血で血抜くって怖すぎだろ。


で、そのままなんだかの薬を何種類かもらって直行で家に送ってもらった。
叶奏は俺のバイクに乗って帰ってきてくれるらしい。
こけたらごめんね、と電話越しに泣きそうな声で言われた。
怪我だけはしないで帰ってきてくれたら、別に。
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