わがままな女神たち
「帰ろうか?」

次に徹の声が聞こえたとき、乃恵は放心状態だった。

「うん」
でも、歩けるかなあ?

ただキスをしただけなのに、腰が抜けてしまった。
そのくらい今日の徹は情熱的だった。

「こんなのでバテられちゃ困るよ」
「そんな・・・」

「帰れば、このままベットに直行だからね」

え?
お酒も飲んだし、明日も仕事だし、

「イヤならこのままホテルを取ろうか?その方が早いかな」
すぐに携帯を取り出して操作し始める徹。

「イヤ、帰ります」

ホテルなんて行けば本気で潰される気がするし、やっぱり家に帰りたい。

「じゃあ行こうか」
答えは求めることなく、乃恵を抱え上げた徹。

「イヤ、あの、歩けるから」
必死に抵抗をみせる乃恵だけれど、

「いいからジッとしていろ」
今日の徹にはきかないらしいです。
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