My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】

 ――帰れなくても、居場所が出来て良かったじゃねぇか。

 あのとき言われた台詞が蘇る。
 ……そうだ。もし好きになったとしても一方通行。その想いが叶うことはない。

(そんなの、ただ苦しいだけだ)

 苦しいのは嫌だ。辛い気持ちをこれ以上大きくしたくはない。
 どんなに寂しくても、せめて笑顔で「ありがとう」とお礼を言って気持ちよく元の世界に帰りたい。

(だから私は、ラグを好きになんてならない)

 好きになっちゃダメだ……。

 私はそこで考えることをやめ、繰り返される低い波音を耳にしながら眠気が訪れるのをただ待った。

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