My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】

 そんな声が聞こえきてラグの方を見る。すると彼に向かって目をキラキラさせながら話しかけている男の子がいた。



 彼はフィルくん。船員の中では最年少で確か14歳だったはずだ。
 きっかけは知らないけれど、いつの間にかラグと仲良くなっていて最近はいつも一緒にいる気がする。

(仲良くっていうか、懐かれてる感じだけど)

 なんとなく微笑ましくそんなふたりを見ているときだ。

「カノン!」
「はい!?」

 間近で声が掛かりびっくりして振り向くと目の前にグリスノートが立っていた。

「今日も調子よさそうだな?」

 そう笑顔で訊ねられ、肩のグレイスも小さく首を傾げているのを見て思わず顔が緩んでしまう。
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