My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】

「兄貴、どうするつもりなの?」
「……」

 リディの問いにグリスノートは答えない。
 ――妙な声が聞こえてきたのはそのときだった。

「よ~っほほほほほほ」

 風に乗って響いてきたまるでヨーデルのような歌声……ではなく“高笑い”に私はぽかんと口を開ける。
 向こうの船首に立つ派手な格好をした髪の長い人物も徐々にはっきりとしてきて、私はたまらず声を上げていた。

「女の子!?」
「のようだな」

 セリーンが続いて、それに気づいたリディがこちらを振り向いた。

「あれ? 言ってなかったかしら。アヴェイラは女よ。カノンと同じくらいの歳の」

 聞いていなかったし、海賊というからてっきり男なのだと思い込んでいた。

 まさか、件のアヴェイラが“女海賊”だったなんて……!

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