My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】

32.奇襲


 急いで街へ戻った私たちは愕然とする。

(ここまで来る間にも何匹も倒したのに……)

 トランクさんの言う通り、先ほどまで人気がなく静かだった通りに大量のモンスターがうろついていた。一種類だけではない、先ほど見た狼に似たもの、昨夜見た猪に似たもの、見たことのない大型のモンスターまで、まるで大陸中のモンスターがこの場所に集まって来ているかのようだった。
 その中で先ほど詰所で話していた自警団の青年たちや武器を持った男たちが戦っているのが見えたがこちら側が劣勢なのは明らかだった。

「なんで、こんなに……」

 呟いた声が震える。すぐ前にいるラグが舌打ちをするのが聞こえた。
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