My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】

「え……?」

 自分の口からそんな気の抜けた声が漏れる。

 肩でゆっくりと息をするマルテラさんの手に、血のついた短剣が握られていた。
 壁際に蹲るラグが小さな少年の姿に変わって、押さえたその横腹からじわじわと広がっていく赤いものを見て、漸く、私の頭は理解する。

「――っ、いやああああああーーーー!!!」
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