My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】

 次は友達に会いたくて、私はあの歌を歌う。
 風景が再び切り替わり、海にぽっかりと浮かぶ長細い島が見えた。パケム島だ。
 緑のある方へと下りていくとあのツリーハウスが見えてきて、その下、畑にいたノービス一家の皆が一斉にこちらを見上げた。
 この世界で出来た友達、ドナが今にも泣いてしまいそうな笑顔で手を振るものだから、私も少し泣きそうになってしまった。
 そして彼女は隣にいたモリスちゃんと一緒にくるくる楽しそうに踊り出す。
 トムくん、アドリーくんとリビィくんもそんなふたりに手拍子をおくりながら一緒に歌ってくれた。


 次は笛で奏でられたあの綺麗な愛のメロディー。歌詞はつけずにラララで歌う。
 まぶたの裏に映ったのは王宮内の一室。そこで書き物をしていたらしいツェリウス王子と傍に控えていたクラヴィスさんが顔を上げて、そこに勢いよく入ってきたのはデュックス殿下とフィグラリースさんだった。
 王子は首にかけていたあの笛を手に取って、私の歌に合わせてそのメロディーを奏で始める。
 デュックス殿下が身体を揺らしながら得意げに歌ってくれて、クラヴィスさんとフィグラリースさんもふたりに言われちょっと恥ずかしそうに歌ってくれた。
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